診察中の横山医師

治療方法について

treatment method

1.初めての診察

犬の手を治療中の横山医師

症状の経過についての問診や全身の身体検査、皮膚の状態を観察します。

2.検査

検査で顕微鏡を覗く横山医師

原因物質を調べ、症状や検査結果を総合して病気を診断するために必要な検査を行います。

一般的に行う検査

スタンプ検査

透明なセロハンテープを皮膚に貼付けたり、病変部に直接スライドガラスを擦り付け、染色して顕微鏡で観察します。
真菌や細菌、まれに寄生虫を確認します。

抜毛検査

ピンセットで毛を採取し、顕微鏡で観察します。
毛包虫やカイセンダニ、毛根の状態を確認します。

掻爬検査

皮膚表面を削り取って、皮膚に潜り込んでいるヒゼンダニなどを確認します。

ウッド灯検査

皮膚糸状菌症が疑われる場合に行います。
ウッド灯と呼ばれる紫外線照射装置で病変部に紫外線を照射します。
皮膚糸状菌に感染している場合、緑色の蛍光を発します。

必要に応じて行う検査

アレルギー検査

食物アレルギーを引き起こすリンパ球の反応にはIgEが関与するⅠ型とリンパ球が直接反応するⅣ型の2つの反応があります。どちらも外部の血液検査になりますが、それぞれ検査方法が異なります。

①アレルゲン特異的IgE検査

型アレルギーが関与している場合にその原因物質であるダニ、花粉、食物の種類などを検出します。

②リンパ球反応検査

個々の食物アレルゲンに対して反応するリンパ球が血液に存在するかを調べる検査です。
原因となる食物アレルゲンを特定することで、何を食べたら良いのか、悪いのかがわかります。

血液検査

ホルモン代謝の異常から皮膚病を引き起こすこともあるため内分泌や代謝異常がないか、また、他の病気がないかを確認します。

培養検査

①細菌培養検査

細菌感染が認められた場合や疑われた場合に、菌を培養してその菌に効くお薬を確認します。

②真菌培養検査

皮膚糸状菌症が疑われる病変部の皮膚や毛を培地に入れ、カビが生えてくるかを確認します。

皮膚病理検査

局所麻酔、全身麻酔下で皮膚の一部を切除して、皮膚病理検査を行います。
皮膚の腫瘍や自己免疫疾患などを診断するために行う検査です。

3.治療

ガレン動物病院 治療室の様子

当院では患者様の状態に合わせた、苦痛を速やかに緩和できる治療を第一にご提案させていただきます。

治療目的

完治を目指す

細菌・真菌・ノミやダニの寄生虫など皮膚の感染症の完治がみこめる治療です。

症状の悪化を抑える

アレルギーや自己免疫疾患など一生付き合っていかなければならない病気に対して、痒みや炎症などをできるだけ抑える対症療法です。

治療法

内服・外用薬

アトピー性皮膚炎に対し、副作用が少なく使用できるアポキルを主に使用します。
ですが、症状が重度の場合は治療の初期にステロイドや抗生剤を使用し、状態が安定したらアポキルに切り替えます。また、アポキルが効かない子達もいるため、他の治療薬を使用する場合もあります。
飲み薬の他に、塗り薬や後述するシャンプー、食事療法、サプリメントを併用し、より皮膚の状態が改善するように努めます。

シャンプー

身体に付着したアレルゲンを洗い流し、皮膚のバリア機能を高めます。保湿成分や抗炎症成分を含む薬用シャンプーをお渡しします。

食事療法

健康で食事をする犬

食物アレルギーを起こす原因を調べ、原因となる食物アレルゲンを含まないフードに変えていただくことにより症状は改善していきます。おやつや人間の食べ物を与えると症状が再発してしまう可能性もありますので、食事療法を行う際は療法食とお水だけを与えるようにしましょう。

また、アレルゲンとなってしまった食べ物は基本的に生涯アレルゲンであり続けるため、療法食はずっと続けていく必要があります。
その子によって原因となる食物アレルゲンは異なりますので、検査結果をもとに患者様にあったフードをおすすめしています。フードサンプルも多数ご用意できますので、いつでも当院にご相談ください。

サプリメント

草原で向こうから元気に走ってくる犬

動物用のサプリメント(アンチノール)はアトピー性皮膚炎でのかゆみを抑える効果や皮膚のバリア機能の修復なども期待できるので、当院では治療に用いています。

4.再診

飼い主にパンフレットを見せながら診療の説明をする横山医師

治療後の経過をみるため、定期的に診察を行います。

皮膚の病気は、快適な生活をおくるための痒みの管理がとても重要です。また、飼い主様に病気に関してご理解いただき、上手につき合っていく方法を一緒に考えていきましょう。

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